【2024更新】5つのステップで簡単!読書感想文の書き方

教育

この記事では、「読書感想文の書き方」を小学校の先生向けに、できるだけ簡単にまとめています。

この記事を読めば、「読書感想文を教えること」ができるようになるかと思います。

夏休みの宿題最大の難敵「読書感想文」

みなさんは夏休みの宿題でくるしい記憶があるのはどの宿題でしたか?

私はダントツで「読書感想文」でした。

図工作品や1行日記なんかにも苦しんだ覚えはありますが、やはり読書感想文が一番苦手、というかはっきり言って嫌いでした。

まずどの本を読んでいいかわからない(当時漫画しか読みませんでした笑)、本を読むのにも時間がかかる、どう書き始めていいかもわからない、結局ほぼあらすじ・・・。

こんな経験がみなさんあるんじゃないかと思います。

今の小学生たちに聞いても、やはり夏休みの宿題では「読書感想文がしんどい」と言われることが多いように思います。

またお家の人にとっても、取り組ませるのが最もしんどい課題の一つかと思います。

まず自分で本を読んでもらわないと始まらないし、算数なんかと違ってどう教えていいかよくわからない・・・。

そんな方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな「読書感想文」の書き方を小学生の保護者の方や、小学校の先生向けに、できるだけ簡単に解説したいと思います。

なぜ「読書感想文」は難しい?

そもそもなぜ「読書感想文」はこんなにも世の子どもたちを困らせるのでしょうか。

理由は明白。

「学校で書き方を教わっていないのに、当たり前のように宿題として出される」

これに尽きるかなと思います。

私が小学生の時も教わった覚えはありませんし、実際私が1、2年目に担任をした時も、教えることなく宿題として出してしまっていました。(当時の子供達には申し訳ない)

また、知り合いの先生方にお聞きしても、「教えずに出している」「正直自分も教えられる自信がない」と言った答えが返ってきます。

当然ですよね。だって、その先生たちも教わっていないのですから。

だから、先生も教えられない、親も教えられない、子どもは苦しむ。

ということになってしまっているのです。

もちろん、丁寧に夏休み前に指導してらっしゃる先生方もいらっしゃるとは思いますが、少数派ではないかと思います。

前置きが長くなりましたが、いよいよ、書き方に入っていきたいと思います。

読書感想文=読書○○文

まずは、大前提です。

読書感想文=読書○○文

意味がわからないでしょうが、つまり、読書感想文を「本を読んで感想を書いた文章」と捉えると、一気に書きにくくなる、ということを知ってもらいたいのです。

誤解を恐れずにいうと、読書「感想」文ではない!と思ってください。

では、○○に入るのはなんでしょう?少し考えてみてください。

正解は・・・

読書「意見」文!

「意見」の2文字が入ります。

そう、読書感想文とは「本を読んで意見を書く」、いわば「読書意見分」なのです。

試しに、過去の入選作品を検索して読んでみてください。

どの作品にも必ず自分の「意見」「主張」「意思表明」と言ったものが含まれているはずです。

読書感想文は感想だけでなく意見を書かないといけない。

まず前提として押さえておいてください。

何をどんな順番でかく?

ここからはもう少し具体的な話です。

何をどんな順番で書くかですが、基本は3段構成。

国語の授業でも習う「はじめ」「なか」「おわり」です。

それぞれに書くことを具体的に示していきます。

なお、「基本的にはこう書くといいよ」ということを書いていきますので、うまく工夫ができればなおいいでしょう。

はじめ

「はじめ」には

「本を選んだきっかけ」「本を選んだ理由」「簡単なあらすじ」「テーマ」を書きます。


「本を選んだ理由」「きっかけ」

「なぜその本を選んだのか」ということを書きます。

(例)

本屋さんでタイトルを見て〜思って、読んでみたいと思った。

本屋さんで表紙を見て〜と思って、読んでみようと思った。

課題図書の紹介を見て〜と思って、すぐにこの本を手に取った。

など、「どう思ったからその本を手に取った」のかを自分なりの表現で書きましょう。


②簡単なあらすじ

「どんな本なのか」を簡単に書きます。

大事なのは「簡単に」ということ。ガッツリ書いてしまうと、感想文ですらなく、要約文になってしまいます。

コツは「5W1H

「誰が」「いつ」「どこで」「誰と」「なぜ」「どんなふうに」「どうやって」ですね。

(例)

桃太郎

「主人公の桃太郎が、人々を困らせる鬼を懲らしめるために、仲間たちと鬼退治へ向かう話です。」

モチモチの木

「一人でトイレに行けないほど臆病な子どもの豆太が、大好きなじさまのために真夜中に一人で医者を呼びにいき、勇気のある子どもにしか見ることができないというモチモチの木の灯を見ることができたというお話です。」

少し極端ですがこんな感じでしょうか。


③テーマ

「自分が思うこの本のテーマ」を書きます。

(例)

桃太郎→正義、悪いことをしてはいけない、みんなのために、仲間は大切

モチモチの木→勇気の大切さ、家族の大切さ

と言った感じです。

これは少し難易度が高く必須ではないですが、考えておくことができると、この後説明する「なか」や「おわり」を書くときに一本筋の通った文章を書くことができます。

なか

「なか」には

「印象に残った場面、出来事」「自分が考えたこと、思ったこと」「自分の経験、体験」を書きます。

3つを1セットと考えて、何セットか書いてOKです。


まず「印象に残った場面、出来事」をかいつまんで書きます。「印象に残った言葉」を引用してもOKです。

それに対して「自分が思ったこと、考えたこと」を書きます。

その時に「自分の経験や体験」を加えて書くと、自分なりの考えの根拠がしっかりした文章になります。

(例)モチモチの木

「特に印象に残ったのは、豆太がじさまのために、真夜中に一人で医者さまを呼びに言った場面です。私は、昔、お母さんが怪我をした時、心配で心配で、それよりも怖くて何もできずに泣いてばかりいたことがあります。その時は、一緒にいたお兄ちゃんがお父さんに伝えてくれて大丈夫でした。豆太はその時の私より小さいし、しかも真夜中なのにすごいです。じさまを助けるために勇気を振り絞ったんだと思います。」


このように3つをセットで書いたものを、何セットか書けばなかはOKです。

おわり

「おわり」には

自分の「意見」「主張」「意思表明」などを書きます。

つまり本を読んで「自分が言いたいこと」を書くのです。

「自分はこんなことが大切だと思う」「これからこうしていきたい」などがベタな書き方になるかと思います。

(例)モチモチの木

「この物語を読んで、私は強い気持ちというのはすごい力を持っているのだと考えた。豆太は一人で夜中にトイレに行けないほど臆病なのに、真夜中に一人でお医者さんを呼びに行くことができた。それは豆太には強い気持ちがあったからだと思う。じさまを助けたいという思いがあったから、勇気を振り絞ることができたし、その気持ちのおかげでじさまは助かった。私にも苦手なものはたくさんある。でも大事にしたいものもある。これから私も強い気持ちを持って頑張るようにしたい。」


上記のことを組み合わせれば読書感想文が完成します。

いきなり文章を書くのはダメ!

何を書けばいいのかわかった!じゃあ書いてみよう!

と、まず初めから書いていくのはNGです。

子どもたちは書いているうちに、どこかへ行ってしまいます。何を書くのかわからなくなってしまうのです。

まずは設計図を書きましょう!

ここ、とっても重要です。

まずは設計図を書きましょう!

お家の方は是非これを一緒にやってあげてください。

子どもたちはナビも地図もなく、運転の方法も知らずに出発しようとしています。

設計図の書き方

設計図の書き方は難しくありません。逆から書いていけばいいのです。

①ゴールを決める

最後に自分の意見として何を言いたいのかを決めましょう。

②どの場面や出来事を抜き出すのかを決める

決めたゴールにつなげるために、どの場面を抜き出すのかを決めます。

そこでどう思ったのかもメモしておくといいでしょう。

③初めに書くことをメモする

本を選んだ理由、あらすじをざっくりメモしておきましょう。


これで設計図は完成です!

本の選び方

意外と重要なのに、軽く見られてしまうのが「本の選び方」です。

もちろん読みたい本を読めばいいのですが、やはりどうしても感想文が書きづらい本というのはあります。

ここまで書いてきたように、読書感想文では自分の意見を書かなければいけません。

つまり、意見が持てないものはダメなのです。

興味が持てて自分の意見が持ちやすい本が、読書感想文に適していると言えます。

ここはやはり、大人の手助けが必要な部分だと思います。


意見が持てない本というのは大きく2パターンあると思います。

①難しくて理解が追いつかないもの。

やはりテーマが難しすぎるのは良くないでしょう。もちろん1部分を切り取るなどやり方はありますが、子どもにかける負担としては大きいように思います。

「もののけ姫」のテーマ言えますか?

②ギャグに全振りしているもの

完全に娯楽として出されているものですね。ギャグ漫画のような・・

なかなか教訓は得られにくいように思います。

でも子どもは読みたがってしまうんですよね・・

本選びに困ったら

子どもたち一人ひとりに適した本を選ぶのは、結構大変です。

「結局どの本がいいのかわからない!」となった場合ももちろん解決法はあります。

「課題図書を読む」ことです。

課題図書というのはやはりよく考えて選ばれており、何か得られるものがある本を、それぞれの発達段階に合わせて選んでくれています。

ですので、困ったら、課題図書の中から興味の持てそうなものを選ぶのがいいかもしれません。

ちなみに個人的には、読書の苦手な子は、下の学年の課題図書を読むのもアリかと思います。その子のプライドとの相談にもなりますけどね・・。


2024年課題図書 低学年

2024年課題図書 中学年

2024年課題図書 高学年

2024年課題図書 中学校

2024年課題図書 高等学校

読書感想文の書き方まとめ


読書感想文を書く手順

本を選ぶ→本を読む→設計図を書く→本文を書く→見直し


本の選び方

興味が持てて自分の意見が持ちやすい本を選ぶ。困ったら課題図書を。


・設計図の書き方

ゴールを決める→どの場面や出来事を抜き出すのかを決める→初めに書くことをメモする


・本文の書き方

はじめ

「本を選んだきっかけ」「本を選んだ理由」「簡単なあらすじ」「テーマ」

なか

「印象に残った場面、出来事」「自分が考えたこと、思ったこと」「自分の経験、体験」

おわり

自分の「意見」「主張」「意思表明」

終わりに

読書感想文は子どもにとって、とてもしんどいというイメージがありますが、取り組み方をきちんと知って取り組めば、力のつく読書に親しむことができる良い機会です。

ぜひ、まずは取り組み方を知った上で、挑戦してください。

良い夏休みを!


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