「主体的・対話的で深い学び」を目指して「交流の改善」に取り組んでみた【自由度の高い交流】

教育

「主体的・対話的で深い学び」を目指して「交流の改善」に取り組んでみた

いきなり小難しい話からになってしまいますが、

新学習指導要領では「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実し、「主体的・対話的で深い学び」を実現することが求められています。

現代の教員は、自分たちのイメージにあるような「知識の詰め込み」だけではダメなんです。

もちろん、大量の業務の中、次々と求められる新たな教育に戸惑う先生たちも多いと思います。

私もその1人なのですが、なんとか少しでも「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて頑張ってみようと思い、「交流の改善」に取り組みました。

この記事では「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた「交流の改善」に向けて、私が取り組んだことを書いてみようと思います。

ゴールは「学習の手段としての自由度の高い交流」

目指すゴールは「学習の手段としての自由度の高い交流」です。

もう少し具体的にいうと、「子どもたちが自分の状況に応じて、必要に応じて学習方法を選べるようにしたい、その一つとして交流を位置付けたい」と思い指導を考え始めました。

これは「個別最適な学び」を意識した部分が大きいです。

将来的には、子どもたちは自分で学び続けていかないといけないので・・

自分で自分に適した学習方法を選べるようにと思っています。

これまでのよくなかった交流

私がこれまでしてしまっていたのは

「ペアで交流」「グループで交流」

といった、完全に教師側の都合で、指示のもとに行う交流でした。

もちろんこういった交流が必要な場合もあるのですが・・。

勉強がよくできる子が一方的に教えて終わってしまう。(しかも答えだけの時もある)

よくできる子には得るものがない。

わからない子同士では何も実りがない。

考え方を広げることにつながらない。

といった状況が私の授業ではよくみられました。

取り組み① 子どもたちに意図とルールを説明する

というわけで、まずは子どもたちに宣言しました。

「今日から交流は自由にします」

なんとなく子どもたちは嬉しげでした。

子どもたちなりにあまり良いイメージはなかったのかもしれないですね。

まぁ、自由と言いながら誘導はする訳ですが・・・。

そして「なぜそんなことをするのか」という意図の説明です。

前述の内容を噛み砕いて伝えました。

・自分の状況を考えて、必要に応じて勉強の仕方を考えてほしいこと

・自分でじっくり考える時間もとっても大事

・友達に考え方を教えるのはすごい力

・考え方を広げるときにも交流は役にたつ

・教科書やノートで振り返りながら考えるのも大切

といったことを伝えました。

そしてもちろん、ルールも伝えます。

・「自由」だけど勉強。仲良しとおしゃべりするだけの時間ではないということ。

・必ず一度自分でじっくり考えること。

・自分でじっくり考えたい子の邪魔をしないこと。

基本はこんな感じで。

初めは、「教えに行くのは禁止」「考え方を教わりに、もしくは交流しにいく」というところから始めました。

取り組み② 交流したくなるような課題を設定する

極端ですが「2+3」「北海道の県庁所在地は?」といった問題では、子どもたちは「交流したい」と思いません。

子どもたちが交流したくなる、少し頭を捻らないといけない問題、でも自分なりの考えも持てそうな問題を課題として提示する必要があります。

取り組み③ 交流の視点を教える(仕掛ける)

個人的には交流の意義は

・解決のヒントを得ること

・考えを広げること(別の考え方を見つける、最適な方法を探求する)

・自分の考えを確認する、伝えること

にあると思っています。

なので

「解決のヒントを得る」視点を教えるために「似たような考え方をしている子を見に行く、探しに行く」ように指導をしたり

「考えを広げる」視点を教えるために「今3パターンの考え方でてるから、全種類探してきてみよう」と声をかけたり

「自分の考えを確認、伝える」視点を教えるために「同じ考えの子を見つけてみよう。」「尋ねられたら答えを教えるのではなく、考え方を説明しよう。」と声をかけたりしました。

交流の仕方もやはり教えてもらわなければわからないと思ったので、やらされている感なく子供達が活動できるように声かけを考えて指導しました。

取り組み④ 様子を見ながら調整

あとは子どもたちの様子を見ながら調整していくイメージでした。

自分から交流に動けなくて困っている子がいれば「ここの2人考え方似てるから喋ってごらん」と声をかけたり、

特定の勉強が得意なイメージのある子にばかり声をかけにいく子が多いようであれば、普段注目の集まりにくい子の意見を取り上げて、色々な考えに価値を持たせたり、

とにかく課題提示→思考→必要に応じて交流→調整を繰り返しました。

意図した方向にはかなり近づいた

指導の結果、当初意図した「学習の手段としての自由度の高い交流」にはかなり近づきました。

少なくとも、誰の思考が深まったわけでもない、必要のない交流の時間というのは無くなりました。

「交流OK」の時間には、

一生懸命自分でなんとか考えている子

友達から考え方のヒントをもらって自分の席に戻る子

もうちょっとで辿り着きそうな子同士で集まって相談している子

より効率的な方法を考えている子、探している子

困っているけど動くか悩んでいるこのそばで声をかけてくれと言わんばかりにウロウロしている子(笑)

できたもの同士で次に来るであろう発表の練習をしている子

以前と比べれば、かなり「個別最適な学び」と「協働的な学び」が充実し、「主体的・対話的で深い学び」の実現に近づいたのではないかと思います。

もちろん未完成な、私個人の1実践にしかすぎませんが、どなたかの一助になれば幸いです。

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