この記事を読むと
「学年内での仕事の任せ方、任され方」について
実例をもとに学べます。
経験の浅い先生同士の学年団が増えてきている
私の関わる自治体が顕著なのかもしれませんが、経験の浅い先生同士の学年団はここ最近特に増えてきています。
小学校経験が10年以上の教員が担任団の中に学校全体で2.3人しかいないという状態も目にします。
そんな中で、なんとか学年を引っ張ろうとする若い学年主任の先生やその先生になんとかついていこうとする1校目の先生を見ていると、頭が下がるばかりです。
学年の仕事というのは、やはり学年団でしっかり分担し、協力してやっていくのがベターです。
主任の先生や先輩の先生が何でもかんでもやってしまうと、どうしても一つ一つの仕事の精度が下がってしまいますし、後輩の先生の成長にもつながりません。
その分担について、最近こんな場面を見ました。
考えてきたダンスに微妙な反応をされていた
もうすぐ10年目という学年主任A先生と、今の学校が1校目という若手B先生の2人で頑張っている6年生。
2人とも初めての6年生で、A先生が色々な先輩に尋ねながら手探りで舵を取り、それになんとかB先生がついて行っているという状況です。
この学校では体育大会が10月初旬にあり、その約2週間後に修学旅行というスケジュールです。
当然、2人で仕事を分担することが必要になります。
そこで、修学旅行をA先生が、体育大会の演技をB先生がメインで担当するということになりました。
この学校の体育大会では6年生は毎年ソーラン節に取り組みますが、ソーラン節だけだと時間が短く、ソーラン節の前に1つ演技を組み合わせることが多くなっていました。
そこで、B先生は色々と調べ、考えた末、ある演技をA先生に提案。その結果、
「うーん。あんまり面白そうじゃないなぁ。」
と言われてしまっていました。
そう言われたB先生はどう改善していいのか困ってしまい、A先生も自分が思っていることをどう伝えていいのか困ってしまっていました。
どうしてこのような状況になってしまったのか、どうすればスムーズにいくのか原因を2つに分けて考えてみました。
原因1「ゴールの共有」
まず一つ目の原因は「ゴールの共有の不足」ではないかと考えられます。
B先生は「演技の時間を引き延ばさないといけない」という思いのみで、ソーラン節と雰囲気が合っている、指導にもそれほど時間がかからなそうな演技を探していました。
それに対してA先生は「子どもたちがみんなで頑張った達成感を味わうことができるもの」を求めていました。
その結果、B先生が提案した演技はA先生にとっては「簡単すぎて子どもたちがみんなで必死に頑張った達成感を持つことができず、見栄えもあまり良くない演技」という風に思えてしまったようです。
どのような演技を提案すればいいのか、提案して欲しいのかを事前に共有できていれば、もう少し上手くいくはずだった例ではないでしょうか。
原因2「言語化・具体化」
もう一つ、今回の例で原因ではないかと思われたのは「言語化・具体化」という部分。
今回のものは極端な例ですが、お互いの感覚に頼って具体的に言語化していない場面はよくみられます。
A先生の「面白くない」は「簡単すぎて達成感が持てなさそう」と具体的に言語化していれば、もう少し伝わりやすいかもしれません。
その他によく見かけるのは「楽しくやらせてあげたいな」というどうしたら楽しくなるのかよくわからないもの、「その言い方では伝わらん」というじゃあどういう伝え方をすればいいのかよくわからないもの、「それは無理ちゃう?、厳しいんじゃない?」というどの部分がどう難しいのかわからないものなどが思いつきます。
同じ先生同士、なんとなく感覚で伝わるものももちろんありますが、それも経験値や考え方によって人それぞれです。
今回のように「仕事を任せる・任される」場面では、任せる側は具体的に言語化して伝えること、任される側は理解できるように具体的に言語化してもらうことを意識してみてください。
今回の例から学べる仕事の任せ方、任され方まとめ
今回は実例をもとに仕事の任せ方、任され方について書いてみました。
いざ書いてみると、ごく当たり前の内容になってしまいましたが、改めて意識することで大きな違いが出るのではないかと思います。
仕事を任せる時、任される時には
「その仕事のゴールを共有し、具体的に言語化」
するということが大切です。
いつまでに仕上げるのか、どんな形で仕上げるのか、何をすればいいのか、なぜするのか
といったところを意識してコミュニケーションを大切に進めみてはいかがでしょうか。
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